※ツボカビ症に関して

「カエルツボカビ症」について関連団体より緊急事態宣言がなされました。
無用な混乱を避けるため、主要事項を覚えておきましょう。
両生類を飼育する我々にとって他人事ではありません。
(むしろ渦中と言ってもいいくらいです)

※世界各地でカエルなどの両生類に壊滅的な打撃を与えてきたカエル・ツボカビ症が、
日本で飼育されていた外国産カエルからも見つかったということで、1/12に緊急事態宣言がなされたわけです。
ツボカビは中米やオーストラリアで猛威をふるった両生類の真菌性感染症で、
致死率が非常に高い(90%以上・潜伏期間は種によるが60日以下とされることが多い)ことと、
国内の野生個体に伝播した際の対応が難しいことで危機感を持たれています。

ツボカビに感染したカエルは
・無気力になり後肢の動きを中心に非常に鈍くなる
・夜行性や樹上棲の種が一日中地上で座っているようになる
・触っても殆ど反応せず、ひっくり返しても元に戻らない
等の症状が見られ、やがて死亡します。

由々しき事態ではありますが、いきなりパニックになる必用はありません。
まずは正しい知識を身につけましょう。

※まず第一、ツボカビは両生類と淡水性エビにのみ感染し、
魚類、鳥類、爬虫類、哺乳類、ヒトには一切感染せず直接害はありません。

あくまでも両生類特有の病気です。

感染した個体に関しては治療法があります。
不治の伝染病というイメージは誤りです。
(治療法等については獣医師にご相談下さい。)
今回問題になっているのは、感染した個体が野外に出て
日本の野生個体に伝染する可能性が危惧されているということ
であるを覚えておいて下さい。
すなわち、感染個体を捨てたり逃がしたりしないのが第一なのです。

※感染力のある真菌性の病気のため、ツボカビに冒された個体を野に放つと、
日本の野生のカエルを含めた両生類に壊滅的なダメージを与えることになります。
そうならないため、両生類飼育者は以下の事柄に注意しましょう。

1,飼育している両生類(国外種はもちろん国内種も)を野外に逃がしたり、
むやみに野外に出さない。

2,飼育している両生類の体調に異変が起きた場合は
感染を疑って獣医師などに相談をする。
(個人飼育個体のツボカビのPCR検査は無料の予定のようです。治療は別途有料。)

3,飼育している両生類が死んでしまったら、
焼却処分か密閉したビニール袋で生ゴミに出す。絶対に埋めたりしてはいけません。

4,死んでしまった両生類の飼育ケースなどは消却・消毒を行う。
また飼育に使っていた水、ケースを洗うのに使った水は
市販の塩素系漂白剤で消毒してから捨てる。

5,新しく両生類を購入する場合は、感染していない個体を購入し
60日間程度他の個体と隔離して検疫を行う。

6,高温に弱いツボカビにはできる限りの高温飼育が有効です。
カエルの種類により限界はありますが、できれば30℃以上の高温飼育が効果的。
(37度で8時間の温度環境を2度ほど繰り返すと死滅するとの報告があります)


※以下に、当店での予防・対応法を記しました。
現在当店内では下記の対策を行っています。

・次亜塩素酸ナトリウムを含む消毒薬(ビルコンS等)による飼育容器・器材・施設の消毒を行う。
・生体を取り扱うスタッフは殺菌性のある消毒薬(ヒビスコールSオスバンネオウォッシュ等)を使用し手指を消毒する。
・高温耐性のある種に関しては、予防のため30度程度の高温飼育を実施する(耐性の弱い種では行いません)。
・両生類の飼育水は、下水に流す前に次亜塩素酸ナトリウムで消毒する。
・新規入荷個体は、既在庫個体と隔てられたケージにて飼育し、媒体物(水)の行き来を防ぐ。
・既在庫個体間でも、入荷時期の異なる個体・別種の同居飼育を避ける。
・新規入荷個体の世話は、既在庫個体の世話が終了した後に行う。
 (既在庫個体とは、入荷時期の異なる他種・他個体との接触が入荷後60日以上無いものを指す)
・新規入荷個体に関しては特に注意深く観察をし、万が一の場合の早期発見に努める。
・新規入荷個体にツボカビ感染が疑われる症状が現れた場合は、直ちに隔離・関連機関へ検査依頼を行う
 (現時点では該当個体なし)。
・異常の見られる生体の販売は行わない。
・輸入される個体に関しては検疫検査が可能な国からの輸入個体を取り扱う。



法案等で新規の輸入や販売が規制さることになれば、当店でもそれに従う意向ですが、
現時点で、販売を見合わせることは行いません。
上記の対策をしっかり行い、在庫個体の感染等を防いでいく所存です。

また、今後状況に進展があったり、事態が変化した場合は
ホームページ上で随時お知らせしていきます。

2007.1/19 店主